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2012.11.01 (Thu)

葛藤の中で何を見る?

某所でステキなプロットというかアイデアをいただきました。
その結果が星x○○だよ……!

ヤンデレの話題で盛り上がってるあそこですよ、あそこ。
この話自体はあんまりヤンデレっぽくないというか失恋な感じです。
ぶっちゃけR-18的な展開のが似合うんじゃねーかなー……?

ともあれ、お楽しみ下さい。


星x○○

【More・・・】


 人里の然る場所に精進料理屋があった。
 店主の名前は○○と言い、評判はそこそこに良い。
 ある日のこと、寅丸星はその精進料理屋に訪れたのである。


「こんにちは」
「いらっしゃい!」


 星はたまたまこの店に立ち寄った。
 こんなところに料理屋があっただろうかと思いつつも、
 精進料理屋というものに惹かれたのだ。


「メニューをどうぞ。
 注文が決まったら呼んで下さい」
「ありがとうございます」


 星は何にしようかと悩む。
 お寺に住んでするからと言って肉を食べないわけではない。
 同居人の僧侶である聖白蓮や雲居一輪も、その例外ではない。
 メニューを見ながら迷っている星を見かねたのか、○○は話しかける。


「その格好、もしかして人間以外の方かな?
 お寺の人にも見えないことはないけど」
「お察しの通りです。一応、神様ですよ」


 毘沙門天の弟子ということは伏せて答える。
 高名な神の弟子であるため名前を明かせば代金無しだとか割引だとか、
 そういうことになってしまうこともあるのだ。
 店側に迷惑はかけられない。


「へぇ、そうなんですね。
 メニューはじっくり決めて下さい、今は他に客もいないので」
「おや……」


 星が周りを見渡すと、たしかに客はいなかった。
 そもそもの店が小さいのだが、飯時ではないのも関係するのだろう。


「あはは、初めて来るとわからないものですね」
「緊張するとそんなもんですよ」


 そのまま世間話をし始める。
 今日は晴れて良い天気だとか、何の神様だとか、人里のことなど、様々だ。


「あ、すみません。話し込んでしまって……いい加減、注文しますね。
 これとこれ、いただけますか?」
「畏まりました。少々お待ち下さいませ」


 ○○はキッチンまで引っ込んでいった。
 星は考える。○○の人柄は良いが、料理の腕はどうかなと。
 開いているぐらいだから不味いものは出ないだろうと考えたが、
 不味いものがもしも出てしまった場合はどうしようか?

 それもまた、良いだろう。
 少なくとも普段関わりのない人と対等な立場で話すことは、滅多にないのだ。
 それだけでもこの料理屋に足を踏み入れた価値があるというもの。


「お待たせしました」
「わ、美味しそうですね……いただきます!」


 美味しそうと言われるだけで、つい笑みがこぼれてしまう。
 ○○でなくともそうだろうが、
 お世辞でも褒められるというのは往々にして嬉しいものだ。

 星は料理を黙々と食べ続けている。
 顔を顰めたりはしていないろむしろ、表情は緩んでいる。
 美味しいと感じているかは別として、不味くはないようだ。
 口に合って良かったと○○は思う。


「ご馳走様でした。美味しかったですよ」
「ははは、神様に言ってもらえるなら光栄です」


 星はがま口財布を取り出し、○○に値段を聞いて支払う。
 また時間を見つけて来よう。
 星にとってそう思えるぐらいに、この店には魅力があった。


「また利用させていただきますね」
「またのご来店をお待ちしていますよ」


 何事もなく、過ぎ去った。
 平和な日常の一頁。
 星はこの後も何度か足を運び、次第に店主と親しくなっていった。

 ある日のこと、星は会話の中で自分のことを打ち明けたのだ。
 自分は毘沙門天の弟子であり、命蓮寺の者だと。
 そうすると○○はこう言った。


「何者かなんて、いいですよ。
 星さんは星さんで魅力的じゃないですか」


 星はドキッとしてしまった。なんてことはない、ただの世辞だ。
 そんな世辞でも星は嬉しく思う。
 普段そう言ってくれるような者は居ない。

 何となしに惹かれ始めている。それを星は自覚していた。
 恋心など、何時ぶりだろうか。
 少なくとも昔ならば人間に恋をするのはありえなかっただろう。
 人間は食べ物。捕食するための存在だったのだから。





「ふふっ」
「やけにご機嫌だね、ご主人。何かあったのかい」


 命蓮寺に戻り仕事をしながらそのことを思い出し、思わず笑い声が漏れてしまう。
 それを従者のナズーリンに見られてしまった。
 見られたところで変化があるわけでもないが、やはり恥ずかしい。


「ええ、ありましたよ。
 凄く良いことがありました」
「ほう、凄く良いこと。
 良ければ聞かせてくれないかな」


 それは駄目です。と星はやんわり断る。
 その後もご機嫌な様子で仕事をする星に、ナズーリンはある仮説を立てた。
 ――もしや、恋でもしたのでは?


「春が来たようだね、ご主人」
「ぶふっ!?」


 お茶を飲んでいるタイミングを狙っての発言である。
 反応は上々。やはり図星なのだろうとナズーリンは考える。


「あぁぁぁ、書類がぁぁぁ……」
「心を乱してはいけないよ、ご主人」
「恨みますよ、ナズ……」


 反応を楽しもうかと考えていたが、これは地雷を踏み抜いてしまったかもしれない。
 ナズーリンは内心で冷や汗を掻いていた。
 陰湿な報復ではないだろうが、何が待っているのかを考えると先行きが不安だ。
 そもそも、こういったことを発言しなければ良いだけの話なのだが。





「ここに来るのももう何度目でしょうか……」


 ○○が経営する精進料理屋の前で、思わず呟いてしまう。
 もはや数回という回数ではなく、十数回は来ているだろう。
 星は暇さえあればここに来てしまっていた。
 もちろん、仕事をきっちりとこなしてのことなので誰も咎めはしない。


「こんにちは」
「いらっしゃい、星さん」
「おや、ご主人?」


 普段は見かけない者を見た。
 それはずっと傍にいて、付き従っていてくれたナズーリンである。


「こんなところで会うとは思いませんでした」
「私もだよ。これから帰るところだがね」


 聞けば忘れ物を捜しにここへ来たという。
 ナズーリンが忘れ物をするのは珍しいなと思うが、まぁ良いだろう。
 また命蓮寺で会いましょうと、ナズーリンと別れた。


「ナズーリンさんも命蓮寺の人だったのか」
「ええ、そうですよ。よく尽くしてくれる、良い従者です」


 そこからはナズーリンに対しての会話で花が咲き、また平和な一頁が捲られた。
 それからも何度も店へは足を運び入れたが、
 ナズーリンを見かける回数が多くなっていった。

 ――唐突に考え付いたのが間違いだったのかもしれない。
 もしこのまま知らなければ、また平和に楽しく過ごせたのかもしれないのに。
 時間を普段と変えて行き、ナズーリンが居ないか観察しようとしたのだ。
 その考えがいけなかった。


「んっ……ぁ……」


 星は見てしまった。
 ○○とナズーリンが、接吻を交わしているところを。
 それもバードキスのような軽く交わらせるものではなく、
 卑猥な水音を立てるようなフレンチキスだったのだ。


「○○ぅ……」


 甘えるようなナズーリンの声が耳に付く。
 星にとってその場は耐え難かった。
 ずっと○○に恋焦がれていたのだ。ずっと、ずっと。

 一目散にそこから逃げ出し、命蓮寺へと戻った。
 なんで? という疑問が頭の中に次々と出てくる。
 もっと早く告白していれば、と考える。
 好きという感情はずっと前から出来ていたのだから、
 臆せず告白すれば良かったのに。

 疑念と後悔で、心はボロボロになっていった。
 それでも自分は毘沙門天なのだ。しっかりと仕事は果たさなければならない。


「ご主人? どうかしたのかい?」


 考え事をしている間にナズーリンが戻ってきたようだ。
 自分のことを心配してくれているという気持ちと、
 どの口が言うかという憤怒がせめぎ合っている。


「……なんでもありません」
「そうかい? ご主人がそう言うなら良いが」


 結局は怒りをぶつけず、和を重視した。
 ナズーリンは疑念を感じていたようだが、
 あの場で話していても酷いことになるだけだ。


「うっ……ひっく……うぁぁぁ……!」


 その日の夜は外に声が漏れないよう、枕を濡らしながら嗚咽を漏らした。
 泣けば多少なりともスッキリする。そんなことを考えて。
 しかし次の朝になろうとも気分が晴れることはなかった。
 一日で切り替えられるほど、単純な問題でもないのだ。





 星は考えた。これからどうするべきかを。
 自分は失恋したのだ。そう自分を言い聞かせるが、足はあの料理屋へ向いてしまう。
 ○○と話せば、何か変わるかもしれない。
 そんなことはあり得ないと考えながらも、誘われるように出向いてしまっていた。


「いらっしゃい。
 誰かと思えば星さんじゃないか」


 挨拶も出来なかった。自分は駄目だな、とつくづく感じさせられてしまう。
 それでも声を普段通りにかけられたのは嬉しかった。
 やはり○○のことがどうしようもなく好きなのだと、星は自らを再認識した。


「注文、何にする?」
「あなたで」
「え?」


 自然と口が出てしまっていた。
 今のは自分じゃない。自分が発言したわけじゃないと考える。
 しかし間違いなく、あなたで。あなたが欲しいと言った。

 口に出してから、ふつふつと感情が湧き上がってくる。
 ○○を自分のものにしたい、誰にも渡したくないと。


「むっ……!?」
「○○さんっ! ○○さぁん……!」


 湧き上がった欲望に身を任せるのは、簡単なことだった。
 相手の全てを奪い尽くしたい、自分の欲望を受け止めてほしい。
 そんな思いから、星は○○の口の中を貪る。


「ぷはっ! 星さん、やめてくれ!」
「イヤです……絶対に、イヤです!」


 ○○は何とか星から逃れようとするが、また捕まってしまった。  
 星は捕まえた○○を押し倒し、恍惚とした表情を浮かべた。


「人間が妖怪に、神様に、力で勝てると思ってるんですか……?
 大人しく、私のモノになって下さい……」





 この後○○と星、そしてナズーリンがどうなったかはご想像にお任せする。



おしまい。
21:29  |  東方SS  |  TB(1)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

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某所でステキなプロットというかアイデアをいただきました。その結果が星x○○だよ……!ヤンデレの話題で
2012/11/04(日) 03:21:12 | まっとめBLOG速報

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